#navi(第28期DTPエキスパート認証更新試験問題)

*問18 RAW画像 [#ddd32e1d]

 ''次の文を読み、前後の意味から類推して[ ]の中の正しいものを選びなさい。''

 デジタルカメラが登場した頃は、画素数の関係で[ '''''107''''' : ①1回 ②2回 ③3回 ④4回 ]露光式や3枚イメージセンサ式デジタルカメラしか印刷原稿には適さなかった。しかし驚異的なスピードでデジタルカメラの性能がアップしたため一眼レフタイプのデジタルカメラが印刷原稿用にも使用されるようになり、印刷入稿の普及率から見れば中判カメラタイプのハイエンドデジタルカメラを遥かに凌いでいる。
一眼レフタイプやコンシューマといった一般的なデジタルカメラに採用されているイメージセンサは単板式、俗に1枚CCDデジタルカメラタイプなどと呼ばれている。1枚タイプのCCDや[ '''''108''''' : ①CMOS ②LED ③MOT ④eMOS ]イメージセンサは各画素にそれぞれRGBの色フィルタが対応しており、RGBそれぞれ単色の色情報しか持っていないので、撮影時に各画素に対してその周辺画素から足りない色情報を集め計算してフルカラー画像を作り出している。この工程を[ '''''109''''' : ①デモザイク(de-mosaic) ②デスクリーリング(de-screening) ③デフオーカシング(de-focusing) ④デフレーション(deflation)]処理と呼ぶ。この工程の後、もしくは並行して色や明るさのトーン等を自動レタッチする画像処理を行い、完成した画像をJPEGや[ '''''110''''' : ①EPS ②DCS ②TIFF ④PDF ]などの汎用画像フォーマットで保存している。
 最終保存に使われるJPEGフォーマットは、[ '''''111''''' : ①不可逆圧縮 ②可逆圧縮 ③ロスなし圧縮 ④ロハス圧縮 ]であり、元データと比較すると画質劣化は避けられない。さらに、JPEGフォーマットのビット深度は通常各色[ '''''112''''' : ①4ビット ②8ビット ③10ビット ④12ビット]、合計で24ビットしかないため、通常12ビットの深度があるイメージセンサから受け取った情報を大幅に切り捨てなければならない。
 したがって撮影後の露出補正や調子補正の自由度は少なくなってしまう。つまり好ましい画質にするためJPEGフォーマットで保存されたデータに、大幅なレタッチをしようとすればするほど画質低下が目立ってしまうというジレンマが発生するのである。このため、デジタルー眼レフなど高機能カメラを中心に、デモザイク前の生データをそのままファイル保存する機能・フォーマットが開発された。このフォーマットはいわゆる生画像なのでRAW画像やRAWデータと呼んでいる。
RAWデータは、無圧縮や可逆圧縮であるためJPEGと比較すると非常に大きなファイルサイズになるが、デモザイク処理前であるため各画素に1色しか色情報を持たないので、TIFF(各色8ビット)と比較すると[ ''''113''''' : ①大差ない ②等しい ③半分以下で済む ④倍以上になる ]。
 RAW画像は専用に設計されたソフトウェアによって調整が可能で、この処理をフイルムにたとえて現像、調整するソフトウェアを現像ソフトウェアと呼んでいる。RAW画像のデータフォーマットは、各メーカー・各機種によって違うため、現像には対応ソフトウェアを用意する必要がある。通常はカメラメーカーが自社製の現像ソフトウェアを添付しているほか、アドビシステムズをはじめとしたサードパーティからは数多くの機種に対応した現像ソフトウェアが発売されている。現像された画像の画質傾向は現像ソフトウェアの採用するアルゴリズムによって大きく変化するため、多くのユーザは自分の好みや目的によって現像ソフトウェアを選び、使い分けている。
 各ソフトウェアによって仕上がりに差が出ることを肯定的に捉えれば「使い分ける」ことになるが、DTPのワークフローを考えれば「色が大きく変わってしまう」というトラブルとも受け取れるので危険なことなのである。したがって、印刷原稿入稿としてRAWデータは適さないというのが現時点でのコンセンサスである。もしRAW入稿を促進するなら、カメラマンはシャッターを押すだけで、色品質保証はレタッチャーやデザイナーがしていくこととなり、ワークフローの根底から考え直さなくてはならなくなってくるだろう。
 そんな背景から2005年にRAWフォーマットの互換性向上を目的としてアドビシステムズがDNGフォーマットを提唱したが、デジタルカメラメーカー大手2社の採用には至っていない。[ '''''114''''' : ①ネガフィルム ②ポジフィルム ]のように後工程での自由度をデジタルで実現しようとした意味を込めての命名だが、PostScriptのようには普及しきれないでいる。確かに互換性があることは便利に違いないが、互換性と各社のノウハウには両刃的な二面性があり、互換性を優先すれば各社の独自ノウハウをある程度スポイルすることは否めないからである。したがって先進技術で先行しているメーカーほどRAWデータの標準化には否定的である。
 今後JPEGの16ビット化、Photoshop等の画像処理ソフトの新機能追加によってハイライト側とシャドウ側の合成、複数画像の合成、CG画像の普及によりRAWデータの位置づけも大きく変わってくることが考えられる。[ '''''115''''' : ①DNG ②DPG ③ADC ④PPD ]が普及し、デジタルカメラ画像を流通させるときの標準フォーマットとなることも含めて、ここしばらくの入稿フォーマットの変遷を冷静な目でウォッチしていく必要がある。
*参考URLなど [#h3b6cf86]

*2ちゃんねるで提案された解答 [#i284d0d9]

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